IT BPO活用で業務効率化を実現する方法とは?
私のIT BPO活用法

私はこれまで、業務の効率化と生産性の向上を目指して、さまざまな取り組みを重ねてきました。その中でも特に効果を実感しているのが「IT BPO(Information Technology Business Process Outsourcing)」の導入です。IT関連業務の一部、あるいは大部分を専門の外部パートナーに委託することで、自社のリソースをより戦略的な活動に集中させることができるようになりました。
本稿では、私がどのようにしてIT BPOを導入し、どんな効果を得られたのか、そして導入時に気をつけたポイントや成功のための工夫について、実体験をもとにご紹介したいと思います。
目次
なぜ私はIT BPOを導入しようと考えたのか?

私の会社では、急速に変化する市場に対応しながら、限られた人員と予算で最大限のパフォーマンスを出す必要がありました。しかし現実には、日常業務に追われて、本来注力すべき新規事業の開発や顧客体験の向上に時間を割けないという課題がありました。
特にIT関連業務は専門性が高く、社内だけでは対応しきれない場面が多々ありました。システムの運用保守、社内ヘルプデスク、アプリケーションの開発・テスト、データの集計や可視化など、IT部門の負担は日増しに増えていきました。
そこで私は、業務の棚卸しを行い、「自社の強みを活かす業務」と「外部に任せても問題ない業務」を分けて考えるようにしました。その結果、IT BPOの導入が、業務の効率化だけでなく、組織全体の生産性向上につながるという確信を得たのです。
IT BPOで委託した主な業務とその成果

私がまずBPO化を検討したのは、日常的に発生するルーチンのIT業務でした。具体的には、以下のような業務を外部に委託しました。
- ヘルプデスクの一次対応
- サーバやネットワークの監視・保守
- 定型データの入力・集計
- 社内向けアプリケーションの保守運用
- クラウドサービスのアカウント管理
- テスト自動化の支援
これらの業務は、標準化しやすく外部に移管しやすい一方で、社内リソースを大きく消費していました。BPO化により、社内スタッフの稼働を大幅に減らすことができ、結果として以下のような成果が得られました。
- 月間工数を約40%削減
- システム障害対応のスピードが平均30%向上
- IT部門のメンバーが本来の企画業務に集中できるようになった
- 応対品質の均一化(BPOパートナーが定型化されたプロセスで対応)
特に、クラウド管理やITインフラの保守といった領域では、外部パートナーの専門性が高く、私たちの想像を超えるスピードと品質で業務を遂行してくれました。単に「手間が減った」というだけでなく、「より高い品質で業務が回るようになった」というのが、非常に大きなメリットでした。
BPO導入のステップと私が意識したポイント

もちろん、IT BPOの導入がスムーズにいったわけではありません。最初は社内からも「品質が下がるのでは?」「情報漏洩のリスクは?」といった不安の声がありました。そうした懸念を払拭し、スムーズに運用へつなげるため、私は以下のようなステップで導入を進めました。
1. 委託範囲の明確化と業務整理
まず、BPOに回す業務を明確にするため、業務プロセスを洗い出し、どこに無駄があるか、どこまでを外部に任せるべきかを整理しました。属人化していた業務はマニュアル化し、誰が見ても同じ手順で進められるように整備しました。
2. パートナー選定
私は、コストだけでなく「業務理解力」「セキュリティ体制」「コミュニケーション力」を重視してパートナーを選びました。実際に数社と面談を重ね、試験運用を経て、最も相性の良いパートナーと契約を結びました。
3. 契約・ガバナンス設計
契約にあたっては、成果指標(KPI)の設定やSLA(サービス品質保証)の定義をしっかり行い、万が一のトラブルにも対応できるようにしました。また、機密保持契約を含むセキュリティ面も万全に整備しました。
4. 運用開始と定期レビュー
運用開始後は、週次・月次でレポートを共有し、双方の認識にずれがないよう調整しました。また、定期的に振り返りの場を設けて、改善提案を積極的に受け入れることで、BPOの品質は年々向上しています。
IT BPO導入の効果と、今後の展望

IT BPOを導入してから、私は「外部に任せられる業務は、積極的に任せる」という発想が、業務改革の大きな鍵であると実感しました。ITに限らず、社内リソースは無限ではありません。むしろ「自社でしかできないこと」に集中し、外部の力を借りることで全体のパフォーマンスは飛躍的に向上します。
今後は、生成AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といったテクノロジーとBPOを組み合わせた「インテリジェントBPO」の活用にも取り組んでいく予定です。業務の自動化をBPO業者と協力して進めることで、さらなる業務の効率化と人件費削減を目指しています。

まとめと最後に「私が伝えたいこと」

私の経験から言えるのは、IT BPOは単なる「外注」ではなく、「業務の最適化と進化」を実現するための戦略的手段だということです。導入には一定の準備とマネジメントが必要ですが、それを乗り越えれば、自社の業務に対する視点が一気に変わります。
IT BPOサービスの比較表を作りましたのでご活用ください。
各社サービス内容と価格の比較表
※2025年2月現在の各社HPより抜粋。サービスの詳細は各社にお問い合わせください。
会社名 | サービス名 | サービス内容 | 価格 |
---|---|---|---|
エイネット株式会社 | 情シス代行パック | ■運用支援サポート
■障害対応サポート
■各種設定その他サポート
|
ベーシック 40,000円/月 スタンダード 100,000円/月 プラチナ 150,000円/月 |
コムチュア株式会社 | ヘルプデスクサービス |
|
不明 (HPに記載なし) |
クロス・ヘッド | 情シスSAMURAI |
|
不明 (HPに記載なし) |
リップル株式会社 | トータルITヘルパー |
|
ヘルプデスクプラン 2,000円~/PC1台あたり 情シス代行プラン 3,000円~/PC1台あたり プレミアムプラン 5,000円~/PC1台あたり カスタマイズプラン 要お見積り |
アイチーム株式会社 | 情シス業務のアウトソーシング・情シスサポートサービス |
|
ヘルプデスクプラン 80,000円/月 スタンダードプラン 244,000円/月 カスタムプラン 350,000円~/月 |
キューアンドエー株式会社 | 社内ヘルプデスクBPOサービス |
|
不明 (HPに記載なし) |
株式会社コンピュータマネジメント | 情シス支援サービス「ION(イオン)」 |
|
システム企画・要件定義 12,500円/時間(週1回~) 既存システム運用・保守 600,000円~/月(週3回~) インフラ構築・運用・保守 600,000円~/月(週3回~) Microsoft 365導入・活用支援 400,000円~ ※標準プラン |
ユナイトアンドグロウ株式会社 | シェアード社員 |
|
ポイント制 |
株式会社Gizumo | クラウドSE |
|
アドバイザリープラン 49,000円/月(10時間) スタンダードプラン 98,000円/月(15時間) プロプラン225,000円/月(30時間) |
ディープエイペックス株式会社 | 情シスフォース |
|
20時間プラン 300,000円/月 40時間プラン 560,000円/月 60時間プラン 780,000円/月 |
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 | 社内ヘルプデスク・LCMサービス |
|
不明 (HPに記載なし) |
株式会社SHIELD | - |
|
30名ほど 200,000~400,000円/月 30~150名ほど 400,000~800,000円/月 150名以上 800,000円~/月 |
DXER株式会社 | シスクル |
|
LIteプラン 15,000円~/月 リクエスト数に応じて変動 Proプラン 138,000円~/月 稼働時間数に応じて変動 |
株式会社アウトソーシングコミュニケーションズ | OSCOMの あんしん情シス |
|
スタンダード 200,000円/月(40h迄) プレミアム 300,000円~/月(60h以上) |
株式会社DTS | ReSMplus(リズムプラス) |
|
不明 (HPに記載なし) |
※2025年2月現在の各社HPより抜粋。サービスの詳細は各社にお問い合わせください。
「人手が足りない」「業務が回らない」と感じたときこそ、外部リソースを活用する絶好のチャンスです。私自身、IT BPOを通じて、働き方が大きく変わり、より創造的な仕事に時間を割けるようになりました。これからも、新しい働き方を模索しながら、柔軟な業務設計を続けていきたいと思っています。