突然の情シス担当者の退職!
属人化した業務の引継ぎポイントと対策について解説
情シス担当者の退職は、ITシステム運用に多大なリスクと影響をもたらします。情シスの属人化した業務が抱える問題点やセキュリティリスクの増加、業務停滞のリスクは避けることができません。
この記事では、情シス担当者の退職によるリスクを最小限に抑えるための引継ぎ準備や業務手順書の作成、リスク管理・対応策を詳しく解説します。
また、情シス業務そのものをアウトソーシングすることで、社内のIT管理工数を減らすことが可能です。その考え方や手法も解説します。
1. 情シス担当者退職のリスクとその影響
情シス担当者が退職する場合、企業の業務に多大な影響があります。特に情報システムの知識をその人個人に依存している場合、退職により業務の停滞や情報漏えいが発生するリスクが高くなります。
また、新しい担当者の教育や引き継ぎがスムーズに進まないと、更なる問題が発生しかねません。従って、情シス担当者の退職は、企業全体にとって重大なリスクと考えられるのです。
1.1. 業務の属人化による問題点と業務停止のリスク
業務の属人化とは、特定の担当者に依存する体制を意味します。
この状態では、その人が持つ知識やスキルが他の社員に伝わっていないため、退職や転勤により業務が滞る恐れがあります。例えば、システムの運用方法やトラブル対応の手順がその人にしかわからない場合、業務が停滞し、結果として顧客対応が遅れます。
また、属人化が進むと、社内の誰も問題を解決できなくなり、業務全体が停滞します。業務の属人化を防ぐためには、業務の共有と文書化が必要です。
情シス担当者の退職は、業務の停滞が起こるリスクがあります。特にシステムの運用や管理に関する知識が個人に依存している場合、その影響は大きいです。新しい担当者への引き継ぎが不十分だと、システムのトラブルが解決できず、運用が停止するといった事態が発生しかねません。
業務のマニュアル化とチームでの知識共有を進めることで、このリスクを減少させることが可能です。また、事前に情シス業務の外注化を検討することも重要です。
1.2. セキュリティリスクの増加
情シス担当者の退職によるセキュリティリスクの増加も見逃せません。セキュリティポリシーやシステムの弱点に関する知識が特定の担当者に依存している場合、その人が退職することで脆弱性が露呈する可能性があります。
特に内部のセキュリティ対策が弱体化すると、情報漏えいやサイバー攻撃に対するリスクが高まります。従って、セキュリティリスクを避けるためには、情報の共有と定期的なセキュリティレビューが欠かせません。
さらに、全業務のセキュリティを強化する体制を整えるべきです。
2. 効果的な引継ぎのための準備
効果的な引継ぎを行うためには、事前にしっかりとした準備が必要です。
まず、業務内容を整理し、次に担当者間での情報共有を円滑に進めるための手順を考えます。そして、必要なドキュメントを作成し、引継ぎ当日に困らないように準備を整えます。
これらの準備を丁寧に行うことで、業務の連続性が保たれ、新しい担当者もスムーズに業務を進めることができるでしょう。
2.1. 引継ぎの基本的なステップ
引継ぎの基本的なステップは、三つに分けられます。
まず、引継ぎを行う前に、現在の業務内容を詳細に把握することが重要です。それにより、引継ぎがスムーズに進みます。
次に、情報を整理し、重要なポイントを抽出します。これにより、相手が必要な情報を迷わず受け取れます。
最後に、実際の引継ぎを行います。この段階で、質問や確認が多く出るため、余裕を持ったスケジュールの設定が求められます。
これらのステップを丁寧に行うことで、引継ぎが円滑に進み、業務の連続性が保たれるのです。
2.2. 必要なドキュメントのリスト作成
引継ぎに必要なドキュメントのリストを作成することは非常に重要です。
まず、現行業務の手順書やマニュアルを一目でわかるように整理しましょう。そして、重要な連絡先や関係部署のリストを作成します。これにより、引継ぎ後の業務がしやすくなります。
さらに、過去の業務履歴や事例集もまとめておくと、参考になります。
こうして準備したドキュメントを共有することで、新しい担当者は迅速に業務を開始できますし、人事の変動があっても、業務が滞ることを防げます。
2.3. 業務内容の可視化と整理
業務内容を可視化し、整理することは、引継ぎを円滑に進めるために重要です。
まず、現在の業務フローを図にしてみましょう。これにより、業務の全体像が把握できます。次に、各業務の目的や手順、注意点をリストアップします。これによって、重要なポイントを明確に伝えることができます。
最後に、定期的に見直しを行い、最新の情報を反映させることが大切です。こうした努力により、新しい担当者はスムーズに業務を理解し、早期に成果を上げることができるでしょう。
3. 業務手順書の作成と重要性
業務手順書は、会社の業務を円滑に進めるために不可欠です。手順書を作成することで、業務の標準化が進み、新入社員や異動者もスムーズに業務に取り組むことができます。また、業務の品質と効率の向上にも寄与します。
手順書の存在により、不測の事態や業務の停滞を防ぎ、組織全体の信頼性を高める役割も果たします。そのため、業務手順書の作成と管理が重要であると言えるのです。
3.1. 業務手順書の具体的な作り方と内容
まず初めに、業務手順書を作成するためには、業務フローを明確にすることが重要です。各業務のステップを洗い出し、必要な手順を順序立てて書き出します。
次に、それぞれの手順に対応する具体的な作業内容や必要なツール、注意点などを記載します。この際、専門用語はできるだけ避けて、誰にでも理解しやすい言葉を使うことが大切です。そして、手順が分かりやすくなるように、図やイラストを活用するのも有効です。
手順書の完成後は、実際の業務に適用し、運用テストを行います。現場の意見を取り入れ、必要ならば修正を加えることで、より実用的な手順書が完成します。
また、定期的に見直しを行い、新しい事情や技術の進展に応じて更新することも重要です。このプロセスを通じて、常に最新の情報を反映した正確な手順書を維持しましょう。
業務手順書には、基本的な情報から具体的な手順まで、幅広い内容を含めるべきです。まず、業務の概要や目的を明確にし、その業務が組織全体でどのような位置づけにあるかを説明します。次に、実際の手順に移ります。
各手順のステップごとに、具体的な作業内容、使用するツール、注意点を記載します。さらに、問題が発生した場合の対処方法や、参考になる資料や関連リンクも追加します。
業務手順書には、各手順の担当者や責任者の情報も含めると良いでしょう。これにより、誰がどの業務を担当しているかが明確になり、業務の流れがスムーズになります。
また、安全対策や法令遵守に関する情報も忘れずに記載しましょう。
これらのポイントを押さえることで、誰でも安心して業務に取り組むことができる手順書が完成します。
3.2. 業務手順書作成のポイント
まず、業務手順書を作成する際のポイントとして、シンプルかつ明確な表現を心掛けることが大切です。複雑な言葉や専門用語を避け、誰にでも理解しやすい言葉で記載しましょう。また、手順書の内容が一目で分かるように、見出しや箇条書きを活用すると効果的です。
次に、手順の流れを視覚的に把握しやすくするために、図やフローチャートを使用することをおすすめします。これにより、手順の理解が深まり、業務のミスや混乱を防ぐことができます。
さらに、定期的な見直しと更新を行い、常に最新の情報を反映させることもポイントです。現場のフィードバックを積極的に取り入れ、実用性の高い手順書を作成しましょう。
4. 情報管理とドキュメント化の重要性
情報管理とドキュメント化は、業務の効率化や情報の透明性を確保するために極めて重要です。適切な情報管理は、企業全体の運営効率を向上させるだけでなく、リスク管理やコンプライアンスの強化にも寄与します。
ドキュメント化により、業務の標準化が進み、新入社員の教育が迅速に行えるようになります。また、情報が体系的に整理されることで、問題発生時に迅速に対応できることも大切です。
4.1. 効率的なドキュメント化の方法
効率的なドキュメント化を行うためには、標準化が不可欠です。文書フォーマットや命名規則を統一することで、ドキュメントの検索や更新が簡単になります。統一されたフォーマットにより、見やすさが向上し、情報の理解が深まるでしょう。
また、バージョン管理を実施することも重要です。文書の更新履歴を残すことで、変更内容が容易に追跡でき、誤解やミスを防ぐことができます。
次に、ドキュメントの共有とアクセス管理を考慮しましょう。適切な共有設定を行い、必要な人だけがアクセスできるようにすることで、情報の漏えいや混乱を防ぎます。
また、クラウドサービスなどを利用することで、どこからでもドキュメントにアクセスでき、業務の柔軟性が高まります。
最後に、定期的なレビューと更新を行います。古くなった情報や不要なドキュメントを適宜廃棄し、最新の情報を保つことが重要です。これにより、常に最新かつ正確な情報が手元にある状態を維持できます。
4.2. データの整備とバックアップ
データの整備とバックアップは、情報の保護と管理の基本です。まず、データの整備には、重複するデータの削除やフォーマットの統一が含まれます。これにより、データの品質が向上し、業務の効率が上がります。
また、定期的にデータを整理することで、不要なデータを減らし、データベースの負荷を軽減することができます。
次に、バックアップの重要性を理解しましょう。データが損失したり破損したりした場合には、バックアップが唯一の救済手段です。定期的なバックアップを実施し、複数の場所に保管することで、データの安全性が確保されます。特に、クラウドサービスを利用することで、アクセスの容易さと安全性を両立できます。
バックアップのスケジュールを設定することも重要です。頻繁に更新されるデータは、日々のバックアップを実施し、それほど更新されないデータは、週単位や月単位でバックアップすることが適しています。
このように、データの特性に応じて最適なバックアップ戦略を立てることが効果的です。
5. 情シス業務の外注化を検討してみる
情シス担当者の突然の退職によって、残された社内メンバーで引き継いで対応する。という方法もありますが、情シス業務そのものをアウトソーシングしてしまう。という手法を選択することで、属人化を防ぐことができて、より良い結果を得ることが可能です。
5.1. 情シス業務を外注化することで、属人化を防ぐことができる
まず最初に、情シス業務を社内のメンバーで行うと属人化していってしまうのは、何故なのでしょうか?
答えは「面倒だから」です。
情シス業務は、営業やマーケほど華やかな部署ではありません。社内のWi-Fiは正常に動いて当たり前だと社内の皆が思っていて、誰も注目はしてくれません。
事前に決めた手順書を簡略化して、情シス担当者が独断で「自分だけの新たなルーティンルール」に手順を変更しても誰も困りませんし、指摘されることもありません。
このように、情シス担当者が自分だけの判断で変更してゆく運用ルールが、2年経ち、3年経つことで、情シス業務の属人化という問題として静かに広がっていってしまうのです。
でも、情シス業務そのものを外注化することで、このような属人化を防ぐことができます。
なぜなら、外注先は「面倒だから」という理由で、事前に決められた情シス業務の手順を変更してしまうことはないからです。
5.2. 正社員を稼ぐセクターに集中投入できる
また、情シス業務を外注することのメリットとして、会社の成長を加速させる効果が期待できます。稼ぐこととは関係のない情シス部門を外注化することは、社内の業務負担を減らしてコスト削減を達成することに繋がるからです。
間接部門の人件費削減は、会社の利益を増やします。
現在のようにSaasサービスが充実する前は、情シスの外注化は検討外の施策だったと思います。しかし、各企業のコアサービス以外の業務については、充実した既存のSaasサービスを組み合わせて活用することで、企業活動を問題なく遂行できる時代にシフトしました。
もし情シスの外注化が「自社には当てはまらない」と、お考えであれば、貴社の企業活動は旧世代的な思考に支配されたものである可能性があります。
一度は情シス部門のアウトソーシングを検討してみる価値は、きっとあるはずです。
5.3. 情シス業務の外注先を探してみよう
おススメの情シス代行サービスは、エイネット社の「情シス代行パック」です。
*エイネット社の情シス代行パック
https://www.anets.co.jp/is/
エイネット社の「情シス代行パック」は、分かりやすいお得な料金設定が魅力です。
また、各サービスに付帯されるサービス内容も分かりやすく整理されています。
ユーザーが希望するサービスをオプションで付け足したり、除外することができ、汎用性の高い情シス代行の支援を受けることが可能です。